SAP Cloud ERPの強みは、財務・販売・購買・在庫・生産など幅広い基幹業務を一つの基盤で統合し、企業・部門・海外拠点をまたいで業務とデータを標準化できることです。一方、他社ERPと比較すると、価格や導入のしやすさ、操作性については課題を指摘する利用者もいます。
ITreviewでは、SAP Cloud ERPの「機能への満足度」は5点満点中3.5です。主要機能では会計管理3.7、決算処理3.7、販売管理3.7、生産管理3.2、原価計算3.4などとなっており、幅広い基幹業務をカバーしています。
強み① 幅広い基幹業務とデータを統合できる
SAP Cloud ERPは、会計だけでなく販売・購買・在庫・生産などを横断して管理できることが特徴です。販売や購買で発生した情報を在庫や会計へ連携するなど、一連の業務プロセスとデータを共通基盤で管理できます。
利用企業からも、部門ごとに異なっていたシステムの統一によって、データの一元化や業務効率化、人為的ミスの削減につながったという評価があります。
強み② グローバル・複雑な業務への対応
SAP Cloud ERPは、複数の会社や海外拠点を含めて業務プロセスを標準化できる点にも強みがあります。特に、海外拠点のガバナンスや会計への対応、物流・サプライチェーンまで含めて統合したい企業に適しています。
また、標準機能を基本としながら、必要な独自要件についてはAPIやSAP BTPなどを利用して拡張できるため、標準化と企業固有の要件を両立できます。
弱み① コストが高いという評価
ITreviewでは、SAP Cloud ERPの価格について、他の評価項目より低い評価となっています。
ただし、SAP Cloud ERPは幅広い業務を一つの基盤に統合するERPであるため、ライセンス価格だけで単純比較するのではなく、既存システムの維持費、システム間連携、インフラ、保守、将来のアップグレードまで含めたTCO(総保有コスト)で比較することが重要です。
複数の業務システムを個別に維持している企業では、それらを統合することで中長期的なIT運用負荷を軽減できる可能性があります。
弱み② 導入や操作に一定の知識が必要
豊富な機能を持つ反面、比較的シンプルなERPと比べ、導入や操作に一定の知識が必要という評価もあります。
一方、SAP Cloud ERPでは、標準業務プロセスを活用する「Fit-to-Standard」を基本とし、過度な個別開発を抑えることができます。また、「Clean Core」によってERP本体へのカスタマイズを抑えることで、将来的な保守やアップデートの複雑化を防ぐ考え方が採用されています。
他社ERPと比較してどのような企業に向いている?
低コスト・短期間で比較的シンプルな業務をシステム化することを最優先する場合は、他のERPが適するケースもあります。
一方、SAP Cloud ERPは、財務だけでなく販売・購買・在庫・生産まで統合したい企業、複数拠点・海外拠点の業務を標準化したい企業、事業成長に合わせて長期的に利用できる経営基盤を構築したい企業で特に強みを発揮します。
そのためERP選定では、価格や導入期間だけでなく、業務・データをどこまで統合したいのか、将来の事業拡大や業務標準化まで含めて比較することが重要です。
SAP Cloud ERP運営担当からの回答